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チンクエチェントの物語 第8回
フィアット・チンクエチェントの変貌: ノーマルタイプとエコノミータイプ 掲載日:2003年5月27日 高価格で、パワー不足(13CV)、仕上げがもうひとつで、そのうえに発売期を間違えてしまったという惨めなヌオヴァ・チンクエチェントのデビューでしたが、1957年12月になって、いくつかの改良が加えられることになりました。 さらにわずかその3ヵ月後には第2弾シリーズが話題になっています。 メカニズムがさらに向上し、価格面でも装備面でも改良されて、再び市場に登場したのです。 大きな話題になったことは、ノーマルタイプとエコノミータイプの2種類のチンクエチェントが用意されたということです。 エコノミータイプは、最初のシリーズと同様のシンプルな仕上げによるものでしたが、新型のキャブレターとカムシャフトの採用によってパワーアップ(15CV)されていました。 エコノミータイプの方の価格は、購入しやすいように第1シリーズの490,000リラから465,000リラに下げられました。 このニューモデルは15CVエンジンを装備しているだけでなく、ボディー部分の改良のおかげでさらに使い易くなり、外観美においても、メーカーにとって無視することのできない当時の美的基準に受け入れられやすいものに仕上がっていました。 改善が加えられた主な部分=クロムメッキのヘッドライトリム、通風用三角窓のロック、開閉可能なドアウインドウ、ハンドルのコラムから伸びるヘッドライトとウィンカーランプのレバー、ドアノブの高さの部分とサイドステップ部を飾るメタル製のモール、アルミニウム製のキャップが装備されたホイール、クッション入りの後部の《小座席》、リヤのエンジンフードの上に輝くアルミニウム製の《Nuova 500》のエンブレム、シフトレバーのノブ。 ノーマルタイプのチンクエチェントは第1シリーズのものと同価格(490,000リラ)でしたが、アクセサリーによってさらに豪華になり、前モデルよりもずっと好評で話題になりました。 オプションとして、サイドが白色のタイヤ(6,000リラ)と合成皮革の内装(5,200リラ)を選ぶこともできました。 この新シリーズの発表にあたって、フィアット社では最初の第1シリーズのチンクエチェントを購入した各ユーザー対し、ニュータイプの登場によって生じた損害補償として25,000リラの返済がなされました。 これは、自動車業界史においてきわめて異例なことで、この良心的な特別手続きは高く評価され、フィアット社自身と同社生産の小型車のイメージアップにもつながったそうです。 こうして、自動車の購入を考えていた人々にとって、パワー強化と装備改善が行なわれた新チンクエチェントを選択することは理にかなったものであると思われましたが、販売はなかなか軌道に乗らなかったようです。 それは、スパルタンで馬力のない第1シリーズを購入した初期の顧客たちが下したネガティブな評価が想像以上に尾を引いていたからに他なりません。 設計者であるダンテ・ジャコーザ氏は、チンクエチェントの不成功が原因で神経衰弱に落ち込んでしまって、リグーリアのリビエラ海岸にて保養中であるとの噂さえ流れました。 このケースにおける最高の治療法が、その後になって、重要な意味をもつ細部の改善が行なわれたチンクエチェントが巻き起こした大ブームであったことは言うまでもないのですが・・。 |
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| 初期型のヌォヴァ500。 | 改良が加えられたヌォヴァ500。ウィンドーレギュレーターが付けられていたり、ステアリングの回りもにぎやかになってますね。(いづれもチンクエチェント博物館展示時に撮影) |
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NUOVA 500 ECONOMICA
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