グリフォーネ・ジャパン
掲載日:2002年3月23日

FIAT SEICENTO SPORTING GROUP-A

アバルト&Cを前身とするフィアット・オート・コルセが開発したGr.Aラリー仕様のセイチェント。
若手ドライバー育成プログラムのひとつとして開催されたワンメイクラリー、トロフェオ・チンクエチェントシリーズに変わる「レジョナル・フィアット・セイチェント・ラリー・チャレンジ」用に開発されたマシンです。
エンジンやボディワークに関しては、ほとんどワンメイクラリー仕様と同等のスペックです。
が、現車は、フィアット・オート・コルセに製作を依頼した際、ミドルクラスサーキット向けの足まわりを特別に発注。
昨年のチャオイタリア(セントラルサーキット)では、シェイクダウンにも関わらず、1分42秒台を叩き出し、関係者を驚かせました。
ナリはカワイクともフィアット・オート・コルセの巧みのワザが冴え渡ったスペシャル。
ボンネットのサソリマークは伊達ではないことを実証しています。
昨年のワールドラリーフェスタで旗揚げしたスクーデリア・グリフォーネ・ジャパンでは、代表の松井建樹(生業は自動車ライター。今後はドライバーとしても活躍予定!?)が中心となり、JAFのラリー2駆戦にスポット参戦を表明。
今年からターマックステージを主体にセイチェントを走らせます。
ナビゲーターはTIPO編集部の上田純一郎氏(氏はスクーデリア・グリフォーネのメンバーでもあるのです)です。
山間を縫う林道にターゲットを移すため(というより本来得意とするステージですが…)足まわりをリセッティングする予定です。
そこで、今回、セッティングの方向性確認と練習走行を兼ねて、3月31日(日)岐阜県のYZサーキットで行われるラテン車中心のスプリントレー スに急きょ参加を決定。
エンジン&ミッションオイル等の交換をはじめ、細部に渡るメンテナンスをトゥルッコ名古屋さんに依頼しています。
ご覧になればわかると思いますが、さすがにワークス仕込み。思わず唸らせる仕上がりです。
それから、この車両のラリー参戦記はTIPO誌でも紹介していただけるみたいです。
やっと、ナンバーも取得し春より始まるラリーに照準を合わせクルマのセッティングを煮詰めて行く段階です。
まだまだ、支援をお願いするスポンサー活動もこれからの状態ですが、じっくりとテームを整え、万全の体制でラリーに挑みます。

1,148ccにスープアップされたファイアユニットには、4連スロットルをドッキング。ハイカム、ビッグバルブ、鍛造ピストン、窒化クランクにより120PSを発揮 ミッションはプント55より流用の6速。4→2→1タコ足、スポーツ触媒をセット。スタビ付近にロアアーム左右を繋ぐ補強バーを備えます。デフはビスカスタイプ

フロントには車高調整式ダンパーを備えます。スプリングはアイバッハ製でヘルパースプリングもセット。ブレーキはベンチレーテッドディスク。パッドはメタル セミトレーリングのリアサス。ダンパーはビルシュタイン製。リアブレーキは旧プントGT用を移植。ブレーキの制動力とタッチは絶品で大きな武器のひとつです。

★スクーデリア・グリフォーネ概要

●イタリアはジェノバに本拠を構えるスクーデリア・グリフォーネは、ルイジ・タバトンを代表とするモータースポーツクラブとして1958年にスタート。
イタリアラリー選手権、ヨーロッパラリー選手権、WRCを主体にラリー活動を行ってきました。
現在はルイジ・タバトンの息子ファブリツィオ・タバトン率いるHFグリフォーネとして、各ラリーにエントリーするワークスチームやプライベーターのために、マシン及びパーツ開発、レースサポートのすべてをオーガナイズすると同時にドライビングスクールを積極的に主催するなど若手ドライバー育成にも力を注いでいます。

●フィアット(デルタやプント)やトヨタ(セリカST系やカローラWRC)とのコントラクト(実際にはワークスの下請けですが、コレはオフレコです)を経て、現在は、プジョーからマシン開発をコントラクト。
プジョーとのリレーションシップにより、ワークス外扱いとなりますが、プジョー206WRC及び206スーパー1600をWRCにエントリーさせています。

●ポジショニングは、フィアットなどメーカーに属さないワークスとでも言いましょうか。
でも、契約状況など諸事情により「ワークス」と謳うのは厳禁。
内容を踏まえて考えてみると、日本では、グリフォーネ的スタンスの会社は存在しませんね。
いまのところワークス並の技術力を持つレーシング・チームと表現するのが妥当かと…。セミワークスと表現しても構いません。

★スクーデリア・グリフォーネ・ジャパン概要

●スクーデリア・グリフォーネ・ジャパンは、スクーデリア・グリフォーネに所属するレーシングチームであり、日本支部として2000年に設立。
2002年より日本国内ラリーを主体にレース活動を開始します。
いずれは、JAF公認のモータースポーツクラブへの発展、イタリアラリー選手権、ヨーロッパラリー選手権への参戦も視野に入れています。
「国産」と「輸入車」という日本特有のカテゴリーを崩し、日本国内のモータースポーツ需要の拡大・活性化を図ることを目的としています。←大義名分

●スクーデリア・グリフォーネ・ジャパンは、レース活動以外に、セーフティ・ドライビング・スクールなど、より社会に密着したイベントも展開していきます。

★参戦カテゴリー:2002国内ラリー

●愛知・岐阜・長野・山梨で開催される全日本及びエリア選手権に「スポット参戦」予定。今のところ2駆部門Bクラスにエントリーを予定しておりますが、来季から全日本選手権の4駆と2駆部門が同時開催の場合はクラスが変更となる場合もあります。
現在、JAF国内競技車両規則を熟読してセイチェントをレギュレーションに合わせております。
モノホンのグループA車両をエントリーさせ、冷え込んでいる(2駆部門はかなり熱いのですが…)日本国内ラリーに一石を投じます。
とは言え、イキナリ勝ちを狙っているわけではありません。
初年度は、スッタモンダやりながら公認競技を存分に楽しむことが目的です。
国内ラリーのクラス分けでは、1.1LのセイチェントはシビックタイプRと同クラスになってしまうからです…トホホ。
セイチェントはターマックステージのみのエントリーとなります。

●で、JAF登録(認定)車両ではない正規輸入外のセイチェントがエントリーできるのかって疑問にお答えしますと、FIAの書類付きグループA車両であれば、嘆願書無しでもオッケーとJAFモータースポーツ局にお返事を頂いております。まったく問題ナッシングです。

参戦チーム体制

参戦マシン仮称:HFグリフォーネ・ジャパン・セイチェントGr.Aラリー

チーム名称:スクーデリア・グリフォーネ・ジャパン

参戦車輌:フィアット・セイチェント・スポルティング・トロフェオGr.Aラリー

ドライバー:ライター松井っち

コ・ドライバー:ドライバーのメンタル面までもコントロールする役割を担うある意味ドライバーよりも重要なポジションですのでプロを使いたいところですが、実際には大学自動車部(サポートスタッフは全日本ラリーに毎年参戦している名古屋大学自動車部の面々を起用予定)の若手や各媒体の編集部員が担当することになります。

フィアット・セイチェント・スポルティング・Gr.A

スクーデリア・グリフォーネ・ジャパンから追加モディファイをオーダーし、さらに戦闘力を向上させたマシンでの参戦。
補修パーツ及びセッティング変更用パーツは、HFグリフォーネから供給されます。
現在、ターマックステージ用の足まわりを開発してもらう予定です。

●1,148ccユニットは108PS→120PSにパワーアップ
●サスペンションのリセッティング(レート数タイプ用意)現在ミドルクラスサーキット向け
●ボディ補強→スポット増し打ち及びあて板補強
●プント55用6速ミッション(ファイナルなどギアレシオ数タイプ用意)
●ビスコ・タイプLSD(場合によっては機械式LSDに変更)
*ロールケージ、消化器などセーフティ・パーツはFIA規定に合わせて装備
*ボディ関連・エンジン・補器類・足まわり・駆動系など補修用パーツはフィアット・オート・コルセとHFグリフォーネのテクニカル部門であるHFエンジニアリング(WRC/スーパー1600/ERCなどに参戦するプジョー206、プントラリーなどの開発、レースサポートを行う)から供給される。

参戦車輌サポート:チンクエチェント博物館 
   
テクニカルサポート:A.TRUCCO s.r.l

事務局正式名称:Scuderia del Grifone Giappone

事務局長:松井建樹(editors86@aol.com)

チャオイタご報告

2001/10/28、セントラルサーキットで開催されたチャオ・イタリアのチャレンジレースをシェイクダウンの場としました。ベストラップ1分42秒台。1.1Lながら大したもんです。

感 触

*アシ
フィアット・オート・コルセにオーダーした「トップスピードレンジが160キロ以上のミドルクラスサーキット向け」の足まわりが威力を発揮。
メインストレートでは終速160キロオーバーから100m看板を越えて70mくらいから、また裏ストレートでは終速150キロオーバーから50m看板キッチリのブレーキングでも充分間に合います。
ブレーキを残してターンインしたときの反応は抜群で、ロールスピード(ニューチンクのアシより明らかににバンプが固い)、ロール角とも申し分ナシ。
さすがフィアット・オート・コルセって感じです。
今回はBS520SのSコンパウンドを履いていましたが、2箇所のコーナーで安全マージンをとっての走行でしたので、現在最強グリップを誇るSタイヤ、アドバン048を履き攻め込めば1分40秒を確実に切ることができるでしょう。
しかし、ハイスピードセッティングのアシですから、タイトターンは少々苦手。
80〜100キロからコーナーに進入する際は、しっかり荷重移動を行わないと強いアンダーステア傾向を示します。
でも、コレは腕でカバーできないこともないポイント。
ラリー本戦も「つるし状態」で挑んでもイイかなっと思いましたが、グリフォーネがターマックラリー用の特注サスを作ってくれるそうなので、コチラを優先したいと思います。

*ブレーキ
ブレーキは初期制動がいいのに、グッと踏み込んで「奧」でのコントロール性も◎。
レースでガンガン踏んでもフェードする気配はまったく感じられません。
さすがグループA仕様車、めちゃんこ良いブレーキです。

*デフ
デフはクーペフィアット純正ノンスリを流用してますが、パワーが120馬力程度なんで利きは充分。ギア比ともどもこのままラリーでいけます。

★グリフォーネ・ジャパンお披露目はどうだったかについて

THE 3rd SUZUKA WORLD RALLY FESTA 2001ご報告

急遽エントリーさせてもらうことになったワールドラリーフェスタ(スズカ東コース)。
なんとグリフォーネ・ジャパンのためにピットエリアの展示ブースという好ポジションをご提供して頂いただけでなく、グリフォーネ・ジャパンオンリーのデモランを15分も頂いてしまいました。
お披露目としては最高の条件です。
チンクエチェント博物館の協力により、グリフォーネ・ジャパンとして、FIAT SEICENTO SPORTING Gr.A(グリフォーネ・ジャパン・メンバー今枝 茂氏)、FIAT CINQUECENTO SPORTING TROFEO Gr.A(ドライバーはチンクエチェント博物館 伊藤氏)、FIAT PUNTO 1.6 Gr.A KIT CAR(松井がドライブさせて頂きました)の3台を持ち込みました。
来場者注目の的はやはりプントキットカーでしたが、グリフォーネ・ジャパンがセイチェントで国内ラリー選手権に参戦すると知ると、多くのファンから「がんばってくださいね」と天使の声が…。うるうるです。
それにしても来場者にはグリフォーネおたくが多かったっス。
さすがワールドラリーフェスタって感じです。ボクらより詳しかったりするから恐いくらいっス…。
ご協力頂いたスズカのオーガナイザー、チンクエチェント博物館、そして来場者の皆様方に感謝です。